葬儀には宗教や宗派による違いがあり、その作法や意義もさまざまです。
浄土真宗の葬儀には、他の仏教宗派とは異なる特徴や作法があります。
今回は、浄土真宗の葬儀について、基本的な流れや焼香マナーを解説します。

浄土真宗に関する基礎知識

浄土真宗とは、鎌倉時代に親鸞聖人によって開かれた宗派です。
浄土真宗では、他の宗派のような冥福を祈る儀式ではなく、阿弥陀如来への感謝を捧げる場として位置づけられています。

浄土真宗の葬儀の基本的な流れ

浄土真宗には、大きく分けて本願寺派と真宗大谷派の2つの宗派があります。
葬儀全体の大まかな流れや目的は同じです。
しかし、儀式の細部にはそれぞれの特徴があります。
浄土真宗の葬儀の基本的な流れについて順番に解説します。

ご遺族・参列者の入場

それぞれ指定された席に座ります。

導師の入場

導師(僧侶)が入場し、祭壇の前で準備を整えます。

勤行

阿弥陀如来の教えをたたえるためにお経を唱えます。

• 本願寺派では「阿弥陀経」が重視されます。
• 真宗大谷派では「正信偈」や「勧衆偈」を中心に唱えます。

焼香

導師(僧侶)の焼香に続き、ご遺族、ご親族、一般参列者の順に焼香を行います。
焼香の順番は地域や僧侶によって異なる場合があります。

念仏

「南無阿弥陀仏」を唱えます。
この念仏は、阿弥陀如来の救いへの感謝の気持ちを表す重要な儀式です。

法話

導師(僧侶)が仏教の教えや浄土真宗の信仰について語ります。

導師の退場

儀式が終了した後、導師(僧侶)が退場します。

出棺

儀式の最後に、故人を火葬場へ送り出す「出棺」が行われます。

火葬

火葬前には「火屋勤行」と呼ばれる儀式が行われ、阿弥陀如来への感謝と念仏が唱えられます。

還骨勤行

火葬後、遺骨を祭壇に戻して再び勤行を行います。
「正信偈」や「和讃」が唱えられ、阿弥陀如来の功徳が全ての生命に及ぶよう祈ります。

浄土真宗の焼香の流れ

浄土真宗では、焼香も念仏の一環として行われます。

以下は、浄土真宗の焼香の流れです。

1. 焼香台に進む

2. 焼香台の2、3歩手前で一礼

3. 商工台の前に立つ

4. 焼香を行う
　抹香をつまみ、香炉の中に落とします。

5. 焼香が終わったら、合掌をし礼拝

6. 合唱をやめ2,3歩下がり、一礼

7. 自席に戻る

浄土真宗の焼香マナー

抹香をつまみ、香炉の中に落とす動作を1回だけ行うのが浄土真宗の特徴です。
お香を額にかざす動作は行いません。

まとめ

今回は、浄土真宗の葬儀について、その基本的な流れや焼香マナーを解説しました。
葬儀の流れやマナーを事前に把握し、故人を心から偲びながら適切に参列しましょう。
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