近年では「家族葬」を選ぶご家庭が増えてきています。
広く参列者を招くのではなく、親族やごく親しいひとだけで静かに故人を見送る、穏やかな形式の葬儀が支持されているのです。
そのような中でよく相談を受けるのが「香典は辞退したいけれど、どう伝えたらよいのかわからない」という声です。
今回は、葬儀を支える立場から、香典辞退の伝え方や注意点を紹介していきます。
香典辞退の伝え方
香典を辞退する際は、相手が不快に感じないように配慮しながら、遺族の意向を伝えることが大切です。
そのためには、いつ、どのように伝えるか、そしてどのような言葉を使うかが重要になります
相手に誤解されない香典辞退の伝え方
香典辞退の意向を相手に理解してもらうには、故人やご遺族の意志であることを明確にするのがポイントです。
一般的には、次のような方法でお知らせすることが多いです。
- 葬儀の案内文に香典辞退の旨を記載する
- 訃報の連絡メールやLINEメッセージに、簡潔に添えて伝える
以下のような文章が例として挙げられます。
- 家族のみで故人を見送る運びとなりました。つきましては、香典や供花などのご厚意は謹んで辞退させていただいております。どうかご理解賜りますようお願い申し上げます。
- 故人の意向により、ご香典は遠慮申し上げております。何卒ご理解のほどお願い申し上げます。
このように丁寧な表現で伝えれば、相手の気持ちを尊重しつつ、ご遺族の方針をしっかりと伝えることができます。
香典を辞退する際の注意点
香典を辞退するという意思表示は、金銭を断ることであって、弔意そのものを拒否するわけではありません。
その点を相手に上手く伝わるよう、以下のような点に気を配るとよいでしょう。
- 相手の立場や思いをくみ取る姿勢を大切にする
- 「故人の遺志である」と明言することで納得感が生まれる
- 香典を辞退する旨をあらかじめ葬儀社に伝えておく
- 香典を持参された際の対応について、事前に考えておく
たとえ辞退の意向を伝えていても、香典を持ってこられる人がいる場合があります。
そのときは、気持ちをありがたく受け止めつつ、丁寧に辞退するのが望ましいです。
やむを得ず受け取る場合でも、人目のつかない場所で静かに対応し、他の参列者に配慮しましょう。
香典辞退でも感謝の意を伝えておく
香典をお断りしたとしても、葬儀に足を運んでくれたひとには、心からの感謝を伝えることが大切です。
その思いがしっかり伝わることで、誤解を防ぐことができます。
たとえば次のような対応があります。
- 葬儀の場で、感謝の気持ちを短く伝える
- 後日、改めてお礼状を出す
- 電話で感謝の言葉を伝える
特に年配の参列者の中には、礼節や形式を重んじるひとも多いため、こうした細やかな気配りが、ご遺族の誠意として伝わります。
まとめ
香典辞退の判断は、家族葬では今や特別なことではありません。
ただし、断るという行為自体よりも、相手への伝え方や心遣いが何より大切です。
伝える方法や言葉遣い、そして感謝の気持ちを添えることで、ご遺族の思いは必ず相手に伝わります。
お互いに負担の少ない葬儀が、故人を見送る最後の礼儀につながるのです。
香典辞退の伝え方や家族葬の進め方に不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
ご遺族のお気持ちに寄り添いながら、最適なご提案をいたします。
美園セレモニー(さいたま市緑区、さいたま市見沼区/川口市、足立区)|【葬儀社が解説】家族葬で香典を辞退する場合の伝え方と注意点